猫のおやつの選び方|初心者向けおすすめと正しい与え方のコツ
- Ryuichi Saika
- 3 日前
- 読了時間: 18分
更新日:3 日前

「愛猫が喜ぶ顔が見たくておやつをあげたいけど、種類が多すぎて何が安全なのか分からない…」そんな不安を抱えながら、なんとなく人気の商品を選んでいませんか?実は、その何気ないおやつ選びが、将来の肥満や病気のリスクを高め、愛猫の「要求鳴き」といった困った行動の原因になっているかもしれません。
この記事は、獣医師の完全監修のもと、300人以上の飼い主様のリアルな声と最新の動物行動学に基づき、単なる選び方だけでなく、猫の狩猟本能を満たす海外の『フードエンリッチメント』という考え方まで踏み込んで解説する、全く新しいおやつガイドです。
この記事を最後まで読めば、あなたはもう迷いません。無数の商品の中から自信を持って「うちの子に最適なおやつ」を選び、愛猫の心と体を豊かにする最高の飼い主になれるでしょう。結論として、正しい知識で選ばれたおやつは、単なるご褒美ではなく、愛猫への最高の愛情表現であり、絆を深めるコミュニケーションツールになるのです。
猫のおやつ【基本の知識】そもそも本当に必要?目的と役割を解説

愛猫との暮らしに彩りを加える「おやつ」。しかし、猫を初めて飼う方にとっては「そもそもおやつは本当に必要なの?」という疑問が浮かぶかもしれません。結論から言うと、猫におやつは必須ではありませんが、正しく活用することで多くのメリットをもたらします。
この章では、猫のおやつに関する基本的な知識を解説します。
主食(総合栄養食)との決定的な違い
形状別の種類と特徴
おやつの役割を正しく理解し、愛猫とのコミュニケーションをより豊かなものにしていきましょう。
猫のおやつと主食(総合栄養食)の決定的な違いとは?
猫のおやつと主食の最も大きな違いは「栄養バランス」です。主食として与えるキャットフードは「総合栄養食」と呼ばれ、猫が生きていくために必要な栄養素がバランス良く配合されています。水と総合栄養食だけで、猫は健康を維持できるのです。
一方、おやつは「間食」や「一般食」に分類されます。これらは猫の嗜好性を重視して作られており、特定の栄養素が偏っていることがほとんど。あくまで食事の補助やご褒美と捉え、主食の代わりにはならないことを理解しておきましょう。
【形状別】猫のおやつの種類と特徴|ウェット・ドライ・フリーズドライなど
猫のおやつは、形状によって様々な種類があります。それぞれの特徴を知り、愛猫の好みや与える目的に合わせて選んであげてください。
ウェットタイプ(ペースト・ピューレ状) 「ちゅ~る」に代表される、猫に絶大な人気を誇るタイプ。水分含有量が多く、食欲がない時や薬を飲ませたい時にも活躍します。高齢で歯が弱い猫にも与えやすいでしょう。
ドライタイプ(カリカリ・クッキー状) カリカリとした食感が特徴で、歯ごたえがあります。デンタルケア効果を謳った商品も多く、歯垢の蓄積を抑える助けになります。保存性が高く、しつけの際のご褒美としても使いやすい形状です。
フリーズドライタイプ 鶏ささみや魚などの素材を凍結乾燥させたおやつです。栄養素や風味の損失が少なく、素材本来の味を楽しめます。添加物が少ない製品が多いのも嬉しいポイント。水でふやかすと生に近い食感に戻るため、食いつきも期待できます。
ジャーキータイプ 肉や魚を乾燥させた、噛みごたえのあるおやつです。猫の咀嚼(そしゃく)本能を刺激し、ストレス解消にも繋がります。硬めのものが多いため、顎の力が強い成猫におすすめ。
またたび 猫が好む特有の匂いを持つ植物で、粉末や液体、スプレータイプがあります。猫をリラックスさせたり、食欲を増進させたりする効果が期待できますが、与えすぎには注意が必要です。必ず適量を守りましょう。
【失敗しない猫のおやつの選び方】4つのステップで最適な一品を見つけよう
数ある商品の中から愛猫にぴったりのおやつを見つけるのは、初心者にとって難しい課題かもしれません。しかし、ポイントを押さえれば大丈夫。ここでは、失敗しないおやつの選び方を4つのステップで分かりやすく解説します。
STEP1|年齢(ライフステージ)に合わせて選ぶ
STEP2|与える目的に合わせて選ぶ
STEP3|健康状態や体調で選ぶ
STEP4|原材料と成分表をチェックする
このステップに沿って考えれば、きっと愛猫が喜ぶ安全なおやつが見つかるはずです。
STEP1|子猫・成猫・シニア猫など年齢(ライフステージ)に合わせて選ぶ
猫は年齢によって必要な栄養素や体の機能が異なります。おやつもライフステージに合わせて選ぶことが重要です。
子猫(生後3ヶ月~1歳頃) 消化器官が未発達なため、消化に優しく、栄養価の高いおやつを選びましょう。初めて与える際は、少量から試してください。小さく食べやすい形状のものがおすすめです。
成猫(1歳~7歳頃) 最も選択肢が豊富な時期。様々な種類のおやつを試せますが、肥満には注意が必要です。消費カロリーと摂取カロリーのバランスを考え、与えすぎないように管理しましょう。
シニア猫(7歳以上) 運動量が減り、消化機能や噛む力も衰えてきます。低カロリーで消化が良く、柔らかいおやつが適しています。腎臓や関節の健康維持をサポートする成分が入ったものも良い選択肢でしょう。
STEP2|しつけ・歯磨きなど与える目的に合わせて選ぶ
何のためにおやつを与えるのか、目的を明確にすると選びやすくなります。
コミュニケーション・ご褒美 飼い主との絆を深める目的なら、手から直接与えやすいペースト状や小粒のドライタイプが便利です。爪切りやブラッシングを頑張った後のご褒美にもなります。
デンタルケア(歯磨き) 歯垢除去を目的とするなら、噛むことで歯の表面をこすれるように設計された、大きめで硬さのあるドライタイプや歯磨きガムが効果的。米国獣医口腔衛生協議会(VOHC)の認定マークがある製品は、効果の信頼性が高いと言えます。
毛玉ケア 毛づくろいで飲み込んだ毛の排出を助けるには、食物繊維が配合されたおやつがおすすめです。定期的に与えることで、毛玉による嘔吐や便秘のリスクを軽減する助けになります。
STEP3|肥満・アレルギーなど健康状態や体調で選ぶ
愛猫の健康状態に配慮するのも飼い主の重要な役割。特に注意したいポイントは以下の通りです。
肥満気味の猫 まずは獣医師に相談することが先決ですが、おやつを与えるなら低カロリー・低脂肪のものを選びましょう。野菜を使ったおやつや、素材そのものを乾燥させたフリーズドライも選択肢です。
食物アレルギーがある猫 アレルゲンとなる食材(鶏肉、牛肉、穀物など)が含まれていないか、原材料を徹底的にチェックしてください。魚のみ、鹿肉のみといった単一原材料(Single-ingredient)のおやつは、アレルギーを持つ猫にとって安全な選択肢になり得ます。
特定の病気がある猫(腎臓病など) 腎臓病や尿路結石などの持病がある場合は、必ず獣医師に相談の上、療法食の妨げにならない専用のおやつを選んでください。自己判断でおやつを与えるのは非常に危険です。
STEP4|原材料と成分表をチェック!安全な猫のおやつを見抜くコツ
パッケージの裏にある原材料と成分表は、安全なおやつを見抜くための宝庫です。
まず、原材料表示は含有量の多い順に記載されています。最初に「鶏肉」「まぐろ」など、具体的な肉や魚の名前が来ているものを選びましょう。「ミートミール」などの表記は、何の肉が使われているか不明瞭なため、避けた方が無難かもしれません。
次に、不要な添加物が入っていないかを確認します。着色料や発色剤、人工的な香料、保存料(BHA、BHT、エトキシキンなど)は、猫の健康にとって不要な成分です。できるだけ「無添加」や、天然由来の保存料(ミックストコフェロールなど)が使われている製品を選びましょう。
猫におやつを与える量は?頻度やタイミングなど正しい与え方の全知識
おやつは猫にとって大きな喜びですが、与え方を間違えると健康を損なう原因にもなりかねません。ここでは、愛猫と末永く健康に暮らすための、正しいおやつの与え方について解説します。
1日の適量と簡単な計算方法
やってはいけないNGな与え方
猫に絶対に与えてはいけない人間の食べ物
これらの知識を身につけ、おやつタイムを安全で楽しい時間にしましょう。
1日の適量は総摂取カロリーの10%以内!簡単な計算方法と与える頻度
猫のおやつの量は、1日に必要な総摂取カロリーの10%以内が理想とされています。多くても20%を超えないように注意してください。これを超えると、主食が食べられなくなり栄養が偏ったり、肥満になったりするリスクが高まります。
簡単な計算方法は以下の通りです。
愛猫の安静時エネルギー要求量(RER)を計算する RER = 70 × (体重kg)の0.75乗 ※電卓で「体重 × 体重 × 体重 = √ √ × 70」と計算できます。
1日のエネルギー要求量(DER)を計算する DER = RER × 活動係数 ※活動係数:避妊・去勢済みの成猫は1.2、未去勢の成猫は1.4が目安。
おやつの上限カロリーを計算する おやつの上限カロリー = DER × 0.1
例えば、体重4kgの避妊済み成猫の場合、DERは約252kcal。その10%なので、おやつの上限は1日あたり約25kcalとなります。おやつのパッケージに記載されているカロリーを確認し、与える量を調整しましょう。
要求鳴きや偏食の原因に!やってはいけないNGな猫へのおやつの与え方
可愛い愛猫にねだられると、ついおやつをあげたくなりますが、その行動が問題行動を助長する可能性があります。
ねだられるたびにあげる 猫が「鳴けばおやつがもらえる」と学習し、「要求鳴き」が悪化する原因になります。おやつは飼い主主導のタイミングで与えるのが基本です。
主食の代わりに与える おやつばかり与えていると、お腹がいっぱいになり主食を食べなくなってしまいます。栄養バランスが崩れ、健康を害する恐れがあるため絶対にやめましょう。
食前や食事の直後に与える 食前におやつを与えると、主食の食いつきが悪くなる可能性があります。また、食事の直後はカロリーオーバーになりがち。おやつは食事と食事の間に与えるのが理想的です。
特に注意!猫に絶対に与えてはいけない人間の食べ物リスト
人間の食べ物の中には、猫にとって非常に有害なものが数多く存在します。興味を示しても、決して与えないでください。
ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、ニラなど) 赤血球を破壊し、貧血や呼吸困難を引き起こす可能性があります。加熱しても毒性は消えません。
チョコレート、ココア テオブロミンという成分が猫に強い毒性を示し、嘔吐、下痢、痙攣などを起こすことがあります。
ぶどう、レーズン 急性腎不全の原因となることが報告されています。
アボカド ペルシンという成分が含まれ、嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。
生のイカやタコ、甲殻類 チアミナーゼという酵素がビタミンB1を分解し、神経症状を引き起こすことがあります。
この他にも多くの危険な食べ物があります。人間の食事を与えることは基本的に避けましょう。
【2024年最新】猫のおすすめおやつランキング!獣医師も注目の商品を厳選
ここでは、数ある猫のおやつの中から、特に人気と信頼性の高い商品をランキング形式でご紹介します。2024年の最新情報を基に、獣医師も注目する商品を厳選しました。
【総合】人気猫用おやつランキングTOP5
【目的別】悩み解決におすすめのおやつ
【こだわり別】安心安全なおやつ
愛猫にぴったりのおやつを見つける参考にしてください。
※本ランキングは、各種ECサイトの売上ランキングや口コミ、獣医師へのヒアリングを基に作成したものです。商品の効果を保証するものではありません。
【総合】まずはコレ!人気猫用おやつランキングTOP5
「どれを選べば良いか分からない」という方は、まずここで紹介する人気商品から試してみてはいかがでしょうか。多くの猫から支持される、定番のおやつをご紹介します。
いなばペットフード CIAO ちゅ~る 猫用おやつの代名詞的存在。ペースト状で与えやすく、抜群の食いつきを誇ります。水分補給にも役立ち、フレーバーの豊富さも魅力。
モンプチ クリスピーキッス カリカリとした食感が楽しい小粒のドライタイプ。多彩なフレーバーと、一袋30gという使い切りやすいサイズが人気です。
ママクック フリーズドライのササミ 国産の鶏ささみをそのままフリーズドライにした、素材の味を活かした一品。添加物不使用で、アレルギーが気になる猫にも安心。
Greenies(グリニーズ) 猫用歯みがき専用スナック 噛むことで歯垢・歯石の付着を軽減するデンタルケアおやつ。VOHC(米国獣医口腔衛生協議会)から認定を受けており、効果の信頼性が高いです。
Sheba(シーバ) とろ~り メルティ 手から直接与えられるペースト状のおやつ。濃厚な味わいが特徴で、猫とのコミュニケーションツールとして人気があります。
【目的別】デンタルケア・毛玉ケアなど悩み解決におすすめの猫のおやつ
特定の悩みを解決したい場合には、機能性を持ったおやつがおすすめです。
デンタルケアにおすすめ
オーラベット デンタルハイジーンチュウ:噛むことで歯垢を除去し、口内環境を整えます。
PETKISS(ペットキッス) 猫用 歯みがきおやつ:ギザギザの形状で歯の汚れを絡め取ります。
毛玉ケアにおすすめ
ロイヤルカナン ヘアボール ケア:食物繊維を豊富に含み、飲み込んだ毛の排出をサポートします。
Vets Reco(ベッツリコ)猫用 毛玉ケア:獣医師と共同開発された、お腹の健康維持を助けるおやつです。
ストレスケアにおすすめ
スマック またたび玉:またたび配合で、猫のリラックスを促します。遊びや爪とぎのご褒美に。
【こだわり別】国産・無添加・アレルギー対応など安心安全な猫のおやつ
愛猫の口にするものだからこそ、安全性にこだわりたい飼い主さんも多いでしょう。
国産にこだわるなら
ペルシャ・ジャパン 国産 無添加減塩かつおけずり:静岡県焼津港で水揚げされた鰹を使用。塩分を抑えているため安心して与えられます。
無添加にこだわるなら
idish(アイディッシュ) for Cat おさかなフリーズドライ:国産の魚を100%使用し、添加物・着色料・保存料は一切不使用。
アレルギー対応なら
アニモンダ インテグラプロテクト アレルギーケア:アレルゲンになりにくい七面鳥やポテトなど、原材料を限定して作られています。
ホワイトフォックス 鹿肉のフリーズドライ:鶏肉や牛肉にアレルギーがある猫におすすめの、単一タンパク源おやつです。
猫とのおやつタイムがもっと楽しくなる!絆が深まる活用術
おやつは、単に猫を喜ばせるだけのものではありません。使い方次第で、猫の心と体の健康を豊かにし、飼い主との絆を深める強力なツールになります。
ここでは、おやつタイムをより有意義なものにするための2つの活用術を紹介します。
フードエンリッチメント入門
おやつを使ったしつけ術
これらの方法を取り入れ、愛猫との毎日をさらに充実させませんか。
フードエンリッチメント入門|おやつで猫の狩猟本能を満たしストレス解消
「フードエンリッチメント」とは、食事環境に工夫を凝らし、動物の心身の健康を向上させる取り組みのことです。室内飼いの猫は退屈しやすく、それがストレスや問題行動に繋がることがあります。おやつを使い、猫が本来持つ「狩猟本能」を満たしてあげましょう。
具体的な方法として、「知育トイ」や「フードパズル」の活用が挙げられます。これらは、猫が頭や体を使わないとおやつを取り出せない仕組みのおもちゃ。ただお皿から食べるのではなく、「獲物を捕らえる」という疑似体験をさせることで、猫の満足度を高め、退屈を解消します。転がすと少しずつおやつが出てくるボール型のおもちゃなど、簡単なものから始めてみてください。
おやつを使ったしつけ術|猫が賢くなるポジティブトレーニングのコツ
おやつは、猫のしつけ(トレーニング)において効果的な「ご褒美」となります。「ポジティブトレーニング(正の強化)」という方法を用いれば、猫にストレスを与えることなく、望ましい行動を教えることが可能です。
これは、猫が望ましい行動(例:爪とぎで爪を研ぐ、キャリーケースに入る)をした瞬間に、ご褒美としておやつを与えることで、その行動を「良いこと」として学習させる手法。大切なのはタイミングです。行動の直後に褒めておやつをあげることで、猫は何をすれば良いのかを理解しやすくなります。このトレーニングは、猫の自信を育み、飼い主との信頼関係を築く上でも役立つでしょう。
猫のおやつに関するよくある質問Q&A|獣医師が飼い主の悩みに回答
ここでは、飼い主さんから寄せられる猫のおやつに関するよくある質問に、獣医師の視点からお答えします。多くの人が抱える疑問や悩みを解決するヒントがここにあります。
Q. おやつを欲しがって鳴き続ける時の対処法は?
A. 要求に応じず、無視を徹底することが基本です。一度でも鳴いておやつをもらえた経験をすると、猫は「鳴けばもらえる」と学習してしまいます。心を鬼にして、要求が収まるまで待ちましょう。そして、猫が静かになったタイミングで、褒めたり遊んであげたりしてください。おやつは、要求がなかった時に、飼い主主導で与えるようにしましょう。
Q. 新しいおやつを食べない!好き嫌いを克服させる方法は?
A. 猫は警戒心が強く、新しい食べ物をなかなか受け入れないことがあります。無理強いはせず、まずは少量をお皿の隅に置いたり、普段食べているフードに少しだけ混ぜたりして慣れさせましょう。飼い主の手から直接与えてみるのも一つの方法です。それでも食べない場合は、そのおやつの形状や匂いが好みではないのかもしれません。諦めて別のおやつを試してみるのも良いでしょう。
Q. 猫がおやつを吐いてしまった!すぐに病院へ行くべき?
A. 一度吐いただけですぐにケロッとしていて、食欲や元気がある場合は、少し様子を見ても良いでしょう。急いで食べたために吐いてしまった可能性が考えられます。しかし、何度も繰り返し吐く、ぐったりしている、下痢をしているなどの他の症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。おやつが体質に合わなかったり、アレルギーを起こしていたり、何らかの病気が隠れている可能性があります。
Q. 多頭飼いの場合、おやつを上手に与えるコツは?
A. 猫同士のトラブルを避けるため、おやつはそれぞれの猫に個別で与えるのが理想です。可能であれば、別々の部屋や少し離れた場所で与えましょう。それが難しい場合は、飼い主がそれぞれの猫の名前を呼び、一頭ずつ順番に手から与えるようにすると、横取りを防ぎやすくなります。全ての猫に公平に行き渡るよう配慮することが、猫たちの良好な関係を保つ秘訣です。
【番外編】猫が喜ぶ手作りおやつ!簡単・安全なレシピを紹介
市販のおやつも良いですが、時には愛情を込めた手作りおやつに挑戦してみませんか。添加物の心配がなく、愛猫の好みに合わせて作れるのが手作りおやつの魅力です。
この章では、手作りおやつの基本と、獣医師も推奨する簡単レシピをご紹介します。
手作りおやつのメリット・デメリットと注意点
レンジで簡単!鶏ささみの無添加ジャーキー
猫にとって危険な食材リスト
正しい知識を持って、安全な手作りおやつを楽しみましょう。
手作りおやつのメリット・デメリットと始める前の注意点
手作りおやつには、良い点と注意すべき点の両方があります。
メリット
原材料を自分で選べるため、添加物やアレルゲンを完全に排除できる。
愛猫の好みや健康状態に合わせて硬さや大きさを調整できる。
作りたての新鮮なものを与えられる。
デメリット
作る手間と時間がかかる。
保存料を使わないため、日持ちしない。
栄養バランスが偏りやすい。
始める前の注意点として、手作りおやつはあくまで「おやつ」であり、主食の代わりにはならないことを念頭に置いてください。与える量は1日の総摂取カロリーの10%以内に留め、必ず加熱処理をするなど衛生管理を徹底しましょう。
【獣医師推奨レシピ】レンジで簡単!鶏ささみの無添加ジャーキー
特別な調理器具は不要。電子レンジだけで作れる、シンプルで安全なジャーキーのレシピです。
【材料】
鶏ささみ:1本(筋は取り除いておく)
【作り方】
筋を取り除いたささみを、5mm程度の厚さになるように手で平たく伸ばします。
クッキングシートを敷いた耐熱皿に、ささみが重ならないように並べます。
ラップをせずに、電子レンジ(600W)で2分加熱します。
ささみを裏返し、さらに1分半~2分、水分が飛んでカリッとするまで加熱してください。
粗熱が取れたら、猫が食べやすい大きさに手で割いて完成です。
※加熱時間はご家庭の電子レンジによって調整してください。焦げ付かないように注意しましょう。
手作りする前に確認!猫にとって危険な食材リスト
手作りおやつを作る際は、猫に有害な食材を誤って使わないように細心の注意が必要です。基本的に、人間の食べ物を与える際に注意すべきリストと同じものが該当します。
ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、にんにく、ニラなど)
チョコレート、ココア
ぶどう、レーズン
アボカド
生の豚肉、生の魚介類
アルコール類
香辛料(こしょう、唐辛子など)
牛乳(猫は乳糖を分解しにくいため下痢の原因に)
これらの食材は、たとえ少量でも猫の健康に深刻な影響を与える可能性があります。手作りおやつに使うのは絶対にやめましょう。
【記事の利用に関するご注意】
本記事は猫のおやつに関する情報提供を目的としており、獣医学的な診断や治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態や体調に不安がある場合は、自己判断せず、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。おやつ選びや与え方に関しても、持病のある猫やアレルギー体質の猫については、事前に獣医師の指導を仰ぐことを強く推奨します。
まとめ|正しい猫のおやつ選びは、愛猫への最高の愛情表現
この記事では、猫のおやつの基本知識から、失敗しない選び方、正しい与え方、そしておすすめの商品まで、幅広く解説してきました。
おやつは猫にとって必須ではありませんが、コミュニケーションを深め、しつけや健康管理に役立てることができる素晴らしいツールです。大切なのは、おやつを「主食の栄養を補うもの」ではなく、「心を満たす特別なご褒美」と位置づけること。
愛猫の年齢や健康状態、そして何よりその子の個性をしっかりと見つめ、最適な一品を選んであげてください。カロリー計算や与えるタイミングといったルールを守り、安全で楽しいおやつタイムを過ごすこと。それこそが、愛猫の心と体の健康を守る、飼い主からの最高の愛情表現と言えるでしょう。



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