猫キャリーおすすめ15選|愛猫のストレスを科学的に減らす選び方
- Ryuichi Saika
- 2 日前
- 読了時間: 37分

愛猫を初めて動物病院へ連れて行く時、「どのキャリーを選べばいいの?」と悩んでいませんか。たくさんの種類を前に、「うちの子が嫌がったらどうしよう」「移動中に脱走したら…」と不安になりますよね。実は、価格やデザインだけで安易にキャリーを選ぶのはとても危険です。間違った選択は、愛猫の脱走事故や多大なストレスにつながるだけでなく、いざという災害時に愛猫の命を守れない可能性すらあります。
この記事では、動物の行動学にも詳しい獣医師の監修のもと、単なるおすすめランキングではなく、猫のストレスを科学的に減らすための「失敗しない選び方」のすべてを解説します。この記事を読めば、無数の選択肢の中からあなたと愛猫にとって最高の”相棒”が見つかり、移動の不安が安心に変わるはずです。
結論として、最適なキャリーとは、通院や災害時といった利用シーンを想定し、愛猫の安全と快適性を最大限に考慮した一品を選ぶことに尽きます。
猫用キャリー選びは、目的によって最適なタイプが異なります。ここでは「通院」「徒歩・災害時」「長距離移動」「デザイン」という4つの主要なシーン別に、おすすめのキャリータイプを一覧でご紹介します。あなたのニーズにぴったりのキャリーを見つけるための、最初のステップとしてご活用ください。
目的別おすすめ猫用キャリーをざっくり紹介
まずは大まかに、どんな用途にどんなキャリーを選ぶのが良いかざっくり解説します。
【通院に最適】上から出し入れしやすい猫用キャリー
動物病院への通院には、上からも扉が開く「上開き(トップドア)」タイプのハードキャリーが最も適しています。
キャリーが苦手な猫や診察で怖がっている猫を、無理に引っ張り出す必要がなくなるからです。獣医師からも、猫と飼い主双方のストレスを大きく減らせるため、このタイプが推奨されています。製品によってはキャリーの上半身が丸ごと外れるものもあり、猫を中に入れたまま診察台に乗せることも可能です。初めての通院やキャリー嫌いの猫には、スムーズな出し入れを最優先に考えましょう。
【徒歩・災害時に】両手が空く便利なリュック型キャリー
徒歩での移動が多い方や、万が一の災害時に備えたい方には、両手が自由に使えるリュック型キャリーが最適です。
両手が空くことで、雨の日に傘を差したり、他の荷物を持ったりすることが可能になります。特に災害時の避難では、周囲の安全を確認しながらスムーズに動けるため、非常に心強い存在となるでしょう。ただし、背負った際の揺れが猫のストレスや車酔いの原因になることもあるため、底が硬く型崩れしにくい、安定性の高いモデルを選ぶことが大切です。
【新幹線・車に】長距離移動に強い高機能猫用キャリー
帰省や引越しなど、新幹線や車で長時間移動する際には、安全性と快適性を高める機能を備えたキャリーが必須です。
長距離移動では、猫への負担をいかに減らすか、そして万が一の事故からどう守るかが最優先の課題となります。車移動であれば、シートベルトで座席にしっかり固定できる機能は絶対に欠かせません。新幹線などの公共交通機関では、規定サイズを守りつつ、十分な通気性が確保されているものを選びましょう。移動先でハウスとしても使える拡張機能付きのキャリーも、長旅の強い味方になります。
【デザイン重視】おしゃれでインテリアに馴染むキャリー
機能性だけでなく、デザインにもこだわりたい方には、お部屋のインテリアに自然と溶け込むおしゃれなキャリーがおすすめです。
猫にキャリーを「安心できる自分の縄張り」と認識させるためには、普段から部屋に置いておくトレーニングが効果的です。そのため、お部屋の雰囲気を壊さないデザインは、重要な選択基準の一つと言えるでしょう。家具のような質感の製品や、ペット用品に見えないスタイリッシュなものも増えています。もちろん、デザインを優先するあまり、安全性や猫の快適性が損なわれないよう、基本性能もしっかりチェックしてください。
猫用キャリーの選び方の基本|まずは4大タイプの特徴を完全比較

愛猫にぴったりのキャリーを選ぶ最初のステップは、どんな種類があるのかを知ることです。猫用キャリーは、大きく分けて「リュック」「手提げ(ハード)」「手提げ・ショルダー(ソフト)」「キャスター付き」の4タイプに分類できます。それぞれの形状にメリットとデメリットがあるため、ご自身のライフスタイルや愛猫の性格、主な利用シーンを想像しながら特徴を比較してみましょう。
全タイプ比較一覧表|安全性・携帯性・清掃性で最適なキャリーがわかる
まずは、4つのタイプの違いが一目でわかる比較表をご覧ください。安全性や持ち運びやすさなど、キャリー選びで特に重要なポイントをまとめました。
タイプ | 安全性 (強度) | 携帯性 (軽さ) | 清掃性 (手入れ) | 猫の快適性 (安定感) | こんな人・猫におすすめ |
① リュック | △ | ◎ | △ | △ | 徒歩移動が多く、両手を空けたい人。災害時にも備えたい人。 |
② 手提げ(ハード) | ◎ | △ | ◎ | ◎ | 安全性と衛生面を最優先したい人。車移動がメインの人。暴れたり怖がりだったりする猫。 |
③ 手提げ(ソフト) | △ | ◎ | ◯ | ◯ | 軽さとデザイン性を重視する人。短時間の移動が主な人。キャリーに慣れている猫。 |
④ キャスター付き | ◯ | ◯ | ◯ | △ | 体重の重い猫や多頭飼いの人。駅や空港など平坦な場所での長距離移動が主な人。 |
この表で大まかな特徴を掴んだら、次に各タイプのより詳しい解説を読んで、あなたと愛猫に最適なキャリーを見つけていきましょう。
① リュックタイプ|両手が空き災害時に有利だが揺れやすい
リュックタイプ最大のメリットは、飼い主の両手が完全に自由になることです。徒歩での通院はもちろん、雨の日に傘を差したり、他の荷物を持ったりする際にも非常に便利です。また、災害時の避難では、愛猫を背負いながら他の防災グッズを運べるため、防災意識の高い飼い主さんから特に注目されています。
ただし、背負って歩く際の揺れが、猫によってはストレスや車酔いの原因になる可能性も否定できません。購入する際は、底面がしっかりしていて型崩れしにくく、背負った時に安定する製品を選ぶことが重要になります。
② 手提げタイプ(ハード)|頑丈で安全性が高いが重くてかさばる
プラスチックなどの硬い素材で作られたハードタイプは、なんといってもその頑丈さと安全性の高さが魅力です。外部からの衝撃に強く、猫が中から爪や歯で破壊して脱走する心配もほとんどありません。パニックになりやすい猫や、力の強い猫でも安心して使えます。
さらに、汚れてもサッと拭き取れたり、パーツを分解して丸洗いできたりする製品が多く、粗相をしてしまった際にも衛生的に保ちやすいという利点があります。一方で、素材自体が重く、本体がかさばるため、持ち運びの負担が大きくなる点がデメリットです。車での移動がメインで、安全性と清掃性を最優先したい飼い主さんに最適な選択肢といえるでしょう。
③ 手提げ・ショルダータイプ(ソフト)|軽量でデザイン豊富だが耐久性に注意
布やナイロン素材で作られたソフトタイプは、軽量で持ち運びやすいのが特徴です。使わない時は折りたたんでコンパクトに収納できる製品も多く、保管場所に困りません。また、デザインや色のバリエーションが豊富なため、ファッションの一部としておしゃれなキャリーを選びたい飼い主さんにも人気があります。
しかし、その手軽さの反面、耐久性には注意が必要です。猫が爪を立てたり噛んだりすることで、メッシュ部分や布地が破れて脱走につながったという失敗談も少なくありません。また、布製は臭いが染みつきやすいという側面もあります。キャリーに入るのを嫌がらない大人しい猫や、短時間の移動での使用に向いているタイプです。
④ キャスター付きタイプ|重い猫や多頭飼いに便利だが振動がストレスになることも
大型の猫や多頭飼いで、総重量が重くなってしまう場合に活躍するのがキャスター付きタイプです。飼い主の身体的な負担を大幅に減らし、駅や空港といった平坦な場所を長距離移動する際には非常に重宝します。
その一方で、地面の凹凸から伝わる細かな振動や走行音が、猫にとっては大きなストレスになる可能性があります。特に音に敏感な猫や怖がりの猫には、慎重に検討する必要があるでしょう。また、階段や段差のある場所では結局持ち上げなければならず、キャリー本体の重さがかえって負担になる場面も考慮しなくてはなりません。
失敗しない猫用キャリーの選び方|愛猫を守る7つのチェックポイント
猫用キャリーのタイプが決まったら、次は具体的な仕様を細かくチェックしていきましょう。ここでは、愛猫の安全と快適性、そして飼い主の使いやすさを両立させるために、購入前に必ず確認したい7つの最重要ポイントを解説します。この基準を知っておけば、数多くの商品の中からあなたと愛猫にぴったりのキャリーがきっと見つかります。
① サイズと空間|猫が中で方向転換できる広さを確保しよう
キャリー選びで最も基本的なのが、愛猫の体に合ったサイズを選ぶことです。狭すぎると猫が窮屈に感じてストレスの原因になりますし、逆に広すぎても移動中に体が安定せず、かえって不安を感じさせてしまいます。
最適なサイズの目安は、猫が中で自由に体の向きを変えたり、少し伏せたりできる程度の空間が確保されていることです。購入前には、愛猫の体長(胸からお尻の付け根まで)と体高(床から背中まで)を測っておくと、より確実に適切なサイズを選べます。
② 耐荷重|猫の体重の1.5倍を目安に余裕のあるものを選ぶ
キャリーには必ず「耐荷重」が設定されています。これは「何kgまでの重さに耐えられるか」を示す非常に重要な数値です。愛猫の体重ぎりぎりの製品を選ぶと、キャリー本体の重さや移動中に揺れた際の負荷で破損してしまう危険性があります。
安全のため、耐荷重は「愛猫の体重の1.5倍」を目安に、余裕のあるものを選んでください。特に子猫の場合は、成猫になったときの体重をある程度予測して選ぶと、長く使い続けることができます。
③ 安全性|頑丈なロックと素材で脱走事故を絶対に防ぐ
移動中の脱走は、絶対に防がなければならない最悪の事故です。猫はパニックになると、普段では考えられないような力で扉やメッシュをこじ開けようとすることがあります。
先輩飼い主からは「布製のメッシュを歯で破られた」「プラスチックのロックを内側から器用に開けられてしまった」といった失敗談も聞かれます。こうした事故を防ぐため、以下の点を必ず確認しましょう。
ロックが内側から簡単に開かない構造か
金属製の扉や、二重ロック機能があるとより安心
ソフトタイプの場合は、爪でひっかいても破れにくい強化メッシュが使われているか
内部に首輪とつなぐ「飛び出し防止リード」が付いているか
価格やデザインだけで選ばず、愛猫の命を守るための安全性を最優先に考えてください。
④ 猫の快適性|通気性と動物病院で便利な「上開きドア」が鍵
猫が移動中に少しでも快適に過ごせるよう、配慮された設計かどうかも重要なチェックポイントです。特に「通気性」と「ドアの形状」は、猫のストレスを大きく左右します。
まず、十分な通気性を確保するために、複数の面にメッシュ窓が設けられているかを確認しましょう。熱がこもりにくく、夏場の移動でも安心です。
そして、多くの獣医師が推奨するのが、天面が開く「上開き(トップドア)」タイプのキャリーです。怖がって出てこない猫を無理やり引きずり出すことなく、上からそっと抱き上げて出し入れできるため、動物病院での診察が非常にスムーズになります。猫と飼い主、双方のストレスを軽減する画期的な機能です。
⑤ 飼い主の持ち運びやすさ|本体の軽さや持ち手の形状も確認
移動の際は、猫の体重に加えてキャリー本体の重さが飼い主の負担になります。「猫が成長したら重くて運べなくなった」という声も少なくありません。
購入前には必ず製品自体の重量を確認し、自分が無理なく運べる重さのものを選びましょう。また、長時間持ち運ぶことを想定し、肩への負担が少ないクッション付きのショルダーベルトや、手に食い込みにくい形状の持ち手が付いているかもチェックすると、移動が格段に楽になります。飼い主が安定して運べることは、猫の安心感にもつながるのです。
⑥ 手入れのしやすさ|粗相に備えて丸洗いや分解できると衛生的
慣れない環境への移動で、猫が緊張のあまり粗相をしてしまうことは珍しくありません。その際に掃除がしにくいキャリーだと、臭いが染みついてしまったり、不衛生な状態になったりしてしまいます。
「デザインは良かったけれど、掃除が大変で後悔した」という失敗談を避けるためにも、手入れのしやすさは購入前に必ず確認してください。
プラスチック製のハードタイプは分解して丸洗いできるものが多く、衛生的です。
布製のソフトタイプなら、撥水加工が施されていたり、中のマットが取り外して洗えたりすると便利でしょう。
清潔な状態を保つことは、猫がキャリーを「安心できる場所」と認識するためにも不可欠です。
⑦ 機能性|収納ポケットや折りたたみ機能など便利な追加機能
基本的な7つのポイントを押さえた上で、さらにあると便利な追加機能にも注目してみましょう。あなたの使い方に合った機能があれば、キャリーの利便性はさらに向上します。
収納ポケット:診察券やおやつ、ビニール袋などを収納できます。
折りたたみ機能:使わない時にコンパクトに収納できるため、保管場所に困りません。
拡張機能:長距離移動や避難先で、キャリーの一部を広げて居住スペースを作れるタイプもあります。
給水器の取り付け:長時間の移動や夏場の熱中症対策に役立ちます。
すべての機能が必要なわけではありません。動物病院への短い移動がメインなのか、帰省で長時間使うのかなど、自分の利用シーンを具体的にイメージして、本当に必要な機能を見極めることが大切です。
【利用シーン別】最適な猫用キャリーの選び方
猫との移動は、動物病院への通院から災害時の避難まで様々です。それぞれのシーンで求められる機能は大きく異なるため、利用目的を明確にすることが、最適なキャリー選びの第一歩となります。ここでは、具体的な5つのシーンを想定し、それぞれで重視すべきポイントを詳しく解説します。
動物病院・通院には「上開き」タイプが鉄則!猫の出し入れがスムーズに
動物病院への通院が主な目的なら、猫を上からスムーズに出し入れできる「上開き(トップドア)」機能は絶対に欠かせません。
診察台の上で緊張や恐怖からキャリーの奥にこもってしまう猫は非常に多いです。その際、正面の扉から無理に引きずり出そうとすると、猫に強いストレスと恐怖心を与えてしまいます。上部が大きく開くタイプであれば、猫に余計なプレッシャーをかけることなく、そっと抱き上げることが可能です。
海外で推奨されている「Fear Free(フィアフリー)」という、動物に恐怖や不安を与えないという考え方にも、この上開きタイプは合致しています。通院時の猫と飼い主双方の負担を減らすためにも、最優先で検討すべき機能と言えるでしょう。
電車・新幹線での移動は規定サイズと周囲への配慮が重要
電車や新幹線などの公共交通機関を利用する場合は、各鉄道会社が定める手回り品のルールを遵守することが大前提です。
多くの鉄道会社では、持ち込めるキャリーのサイズ(例:縦・横・高さの合計が120cm以内)や重量(例:動物と合わせた重さが10kg以内)に規定を設けています。規定外のキャリーは持ち込みを断られる可能性があるため、必ず事前に利用する会社の公式サイトで最新の情報を確認してください。
また、周囲の乗客への配慮も忘れてはなりません。猫の姿が見えすぎると、動物が苦手な方やアレルギーを持つ方に不安を与えてしまうことがあります。メッシュ部分に目隠し用のカバーが付いているタイプや、通気性を確保しつつ布で覆いやすいハードキャリーを選ぶのがおすすめです。
車での移動にはシートベルト固定機能が必須!海外の「衝突安全基準」とは?
車での移動では、万が一の急ブレーキや事故から愛猫を守るため、キャリーを座席にしっかりと固定できる機能が不可欠です。
固定されていないキャリーは、衝撃で車内を飛び交う凶器となり、猫自身も大怪我をする危険があります。キャリーに付いているループやフックにシートベルトを通して、座席に確実に固定しましょう。
特に安全性を重視するなら、海外の「衝突安全基準」に注目してください。例えば、米国のNPO「Center for Pet Safety」は、自動車の衝突試験を行い、その安全基準をクリアした製品を認証しています。これはまさに「ペットのためのチャイルドシート」という考え方であり、愛猫の命を守るための重要な指標となります。
飛行機での移動は「IATA基準」をクリアしたキャリーを選ぼう
引越しや旅行で飛行機に猫を乗せる場合は、IATA(国際航空運送協会)が定める航空輸送基準に準拠したキャリーを選ぶ必要があります。
航空会社は、このIATA基準を基にペットの輸送ルールを定めているため、基準を満たさないキャリーでは搭乗を断られてしまいます。主に、以下の条件を満たす頑丈なハードキャリーが求められます。
耐久性のあるプラスチックなどの素材
内側から開けられない頑丈なロックと金属製のドア
十分な換気ができる通気口
猫が中で自然に立ったり方向転換したりできるサイズ
ただし、航空会社や機内持ち込みか貨物室預けかによって細かい規定は異なります。必ず搭乗予定の航空会社に事前に問い合わせ、最新の規定を確認してから対応製品を購入するようにしてください。
災害・避難時にはハウスにもなる「拡張機能付き」が命綱に
災害時の避難を想定するなら、単なる移動用の箱ではなく、避難先で「簡易ハウス」としても機能するキャリーが愛猫の命綱となります。
慣れない避難所での生活は、猫にとって極度のストレスです。そんな時、普段から使い慣れた自分の匂いがする安全な空間があれば、猫の心の大きな支えになります。
そこでおすすめなのが、近年注目されている「拡張機能付き」のソフトキャリーです。ジッパーを開くとメッシュの居住空間が広がり、猫が足を伸ばしてくつろげるスペースを確保できます。移動時はコンパクトに、避難先ではパーソナルスペースに早変わりするこのタイプは、防災グッズとして一つ備えておくと非常に心強い存在になるでしょう。
先輩飼い主の失敗談から学ぶ!猫用キャリー選びで後悔しない注意点
キャリー選びは、ついデザインや機能の良さばかりに目が行きがちです。しかし、実際に使ってみて初めてわかる「落とし穴」も少なくありません。ここでは、先輩飼い主たちが経験したリアルな失敗談から、後悔しないための重要な注意点を学びましょう。
失敗談①「ソフトタイプを破られた…」を防ぐ素材とロック選び
「軽くておしゃれ」という理由で選んだソフトキャリーが、思わぬ事故につながることがあります。特に、動物病院など慣れない場所でパニックになった猫が、爪や歯でメッシュ部分や布地を突き破り、脱走してしまったという声は少なくありません。安価な製品では、ファスナーやロック部分の強度が不十分で、器用な猫が内側からこじ開けてしまうケースも見られます。
このような最悪の事態を防ぐためには、素材の耐久性とロック機構の安全性を厳しくチェックすることが不可欠です。
素材の確認: 布製でも、引き裂きに強い高デニール(繊維の太さを示す単位)のポリエステル生地を使っているか、メッシュ部分は爪が引っかかりにくく頑丈な素材かを確認しましょう。
ロックの確認: 単純なプラスチックの留め具ではなく、猫が内側から開けにくい構造のファスナーロックや、金属製の頑丈な扉を持つハードタイプを選ぶとより安心できます。
愛猫が怖がりな性格だったり、力が強かったりする場合は、デザイン性よりも頑丈さを最優先で選ぶことをおすすめします。
失敗談②「粗相の後の掃除が地獄…」を避ける清掃性のチェック
猫は環境の変化によるストレスで、移動中に粗相をしてしまうことがよくあります。この時、「デザインは気に入っていたのに、構造が複雑で掃除がとにかく大変」「布に臭いが染み付いてしまい、結局買い替える羽目になった」という後悔の声が非常に多いです。一度キャリーが不衛生になると、猫自身も嫌がって入らなくなってしまう悪循環に陥ることもあります。
購入時には「万が一汚れた場合、簡単に清潔な状態に戻せるか」という視点を必ず持ちましょう。
分解・丸洗いできるか: 特にハードタイプは、上下に分解して隅々まで丸洗いできるモデルが衛生的でおすすめです。
素材と構造: ソフトタイプを選ぶなら、撥水・防水加工が施されているものが望ましいです。また、縫い目や凹凸が少ないシンプルな構造のほうが、拭き掃除も楽になります。
キャリーの底にペットシーツを敷きやすいかどうかも、清掃の手間を大きく左右する隠れた重要ポイントです。
失敗談③「猫の成長で運べなくなった…」将来を見越した重さ選び
子猫の時に「ちょうどいい」と思って買ったキャリーが、猫の成長と共に使えなくなるのは典型的な失敗例です。「生後3ヶ月で2kgだった愛猫が1年で5kgになり、キャリー本体の重さも相まって、動物病院に行くだけで腕が限界に…」といった声が後を絶ちません。キャリー選びでは、猫の体重だけでなく、キャリー自体の重さも考慮する必要があります。
購入を検討する際は、必ず「猫の成猫時の予想体重+キャリー本体の重さ=総重量」を計算し、ご自身の体力で無理なく運べるかシミュレーションしてみましょう。特に徒歩での移動が多い方は、軽量素材のモデルや、肩への負担が分散されるリュックタイプが適しています。将来を見据えて、長く快適に使える重さのものを選ぶことが賢明です。
結論|失敗から学ぶ「購入前に必ず確認すべき裏チェックリスト」
先輩たちの失敗は、私たちが同じ後悔をしないための貴重な教訓です。カタログスペックだけではわからない、本当に重要なポイントを見極めるために、以下の「裏チェックリスト」を活用してください。
耐久性: 愛猫の爪や歯でも破れないか?メッシュや縫製は頑丈ですか。
ロック機構: 内側から簡単に開かない構造か?ロックは金属製など安心できる素材で作られていますか。
清掃性: 万が一の粗相でも、隅々まで簡単に掃除や丸洗いが可能ですか。
総重量: 猫が成猫になった時の体重と本体重量を足して、自分が無理なく運べる重さですか。
安定感: 底板はしっかりしていて、猫が中でふらつかずに過ごせますか。
これらのポイントを事前に確認することで、あなたと愛猫にとって本当に「安心・安全」なキャリーを選び抜くことができるはずです。
はい、承知いたしました。 ご指定のマスタードキュメントとルールに基づき、「猫用キャリーおすすめランキング15選」セクションの本文を執筆します。
【2025年最新】猫用キャリーおすすめランキング15選
数多くの猫用キャリーの中から、安全性・機能性・口コミ評価などを専門家の視点で徹底的に比較し、本当におすすめできる15製品を厳選しました。総合ランキングから、タイプ別、目的・課題別のランキングまで、あなたと愛猫にぴったりのキャリーが必ず見つかります。
【総合ランキング】迷ったらコレ!個人的おすすめTOP5
初めて猫用キャリーを購入する方や、どれを選べば良いか迷ってしまう方へ。ここでは、安全性、猫の快適性、飼い主の使いやすさ、そして口コミ評価を総合的に判断し、自信をもっておすすめできるTOP5をご紹介します。
1位:リッチェル キャンピングキャリーファイン ダブルドア S
通院から普段使いまで、あらゆるシーンで活躍するハードキャリーの決定版です。最大の魅力は、多くの獣医師が推奨する「上開き」と「前開き」のダブルドア仕様。キャリーが苦手な猫でも上からそっと出し入れできるため、動物病院での診察が非常にスムーズになります。
頑丈なプラスチック製で、万が一の衝撃から愛猫を守る安全性も万全です。また、シートベルト固定機能が付いているため、車での移動時も安心。汚れても丸洗いできる清掃性の高さは、Q&Aサイトでも「粗相をしても手入れが楽」と高く評価されています。まさに、初心者が最初に選ぶべき一台といえるでしょう。
タイプ: ハード
サイズ(外寸): 幅32.5×奥行47.5×高さ29.5cm
重量: 1.8kg
耐荷重: 8kg以下
特徴: ダブルドア、シートベルト固定機能、丸洗い可
2位:OPPO Pet Carrier muna-FL
まるでリュックサックのようなスタイリッシュなデザインが目を引く、多機能な4WAYキャリーです。手提げ、ショルダー、リュック、そしてキャスター付きカート(別売)への装着が可能で、あらゆる移動シーンに対応します。
デザイン性だけでなく、猫の快適性への配慮も秀逸。メッシュ窓には目隠し用のカバーが付いており、外の刺激に弱い怖がりな猫でも安心して過ごせる環境を作れます。内部には飛び出し防止リードやふかふかのマットも完備。家のインテリアにも馴染むおしゃれなキャリーを探している飼い主さんにおすすめです。
タイプ: ソフト(リュック・ショルダー)
サイズ(外寸): 幅43×奥行25×高さ40.5cm
重量: 1.6kg
耐荷重: 10kgまで
特徴: 4WAY、目隠しカバー、収納ポケット
3位:猫壱 ポータブルライトキャリー
「とにかく軽くて、使わない時はコンパクトにしたい」というニーズに応える折りたたみ式のソフトキャリーです。本体重量はわずか1kg強と非常に軽量で、女性でも楽に持ち運べます。
使わない時は小さく折りたたんで収納できるため、置き場所に困りません。この特徴は、普段は使わないけれど万が一の災害時に備えておきたい、という防災意識の高い飼い主さんから絶大な支持を得ています。撥水加工が施されており、簡単な汚れならすぐに拭き取れる点も便利です。
タイプ: ソフト(折りたたみ)
サイズ(使用時): 幅25×奥行46×高さ25cm
重量: 1.08kg
耐荷重: 8kgまで
特徴: 軽量、折りたたみ式、撥水加工
4位:アイリスオーヤマ エアトラベルキャリー
飛行機での長距離移動を検討しているなら、IATA(国際航空運送協会)の安全基準をクリアしたこのモデルが最適です。頑丈なロックと金属製のドアが、輸送中の脱走事故を確実に防ぎます。
内部には給水ボトルを取り付けられるスペースもあり、長時間の移動でも猫の水分補給に対応可能。国内外の旅行や引越しなど、公共交通機関を頻繁に利用する飼い主さんにとって、頼れる選択肢となるでしょう。
タイプ: ハード
サイズ(外寸): 幅37.5×奥行53.5×高さ37cm
重量: 2.9kg
耐荷重: 12kg未満
特徴: IATA基準クリア、給水ボトル取り付け可
5位:Petio necoco リュックキャリー
徒歩での移動が多い飼い主さんのために設計された、安定感抜群のリュックキャリーです。リュックタイプは両手が空く利便性が魅力ですが、背負った際の揺れが猫のストレスになることも。この製品は、背中と接する面に体に沿うようなカーブと安定性を高めるプレートを採用し、揺れを最小限に抑えます。
また、胸元のチェストベルトが肩からのズレを防ぎ、飼い主の身体的負担を軽減。通気性の良いメッシュ窓や小物を収納できるポケットなど、細やかな配慮が行き届いた逸品です。
タイプ: リュック
サイズ(外寸): 幅40×奥行28×高さ38cm
重量: 約1.3kg
耐荷重: 8kgまで
特徴: 形状安定構造、チェストベルト付き
【タイプ別】おすすめ猫用キャリー6選
ここでは、「リュック」「ハード」「ソフト」の3つのタイプ別に、特におすすめの製品を2つずつご紹介します。それぞれのタイプのメリット・デメリットを理解し、ご自身のライフスタイルや愛猫の性格に合ったキャリーを見つけてください。
〈リュック〉U-pet 宇宙船カプセル型ペットバッグ
猫が中から外の景色を楽しめる、ユニークな宇宙船カプセル風のデザインが特徴的なリュックです。透明なドーム窓は、好奇心旺盛な猫にぴったり。怖がりな猫のために、通気性の良いメッシュ窓に付け替えることも可能です。
デザインの奇抜さだけでなく、リュックとしての基本性能もしっかり備えています。背中部分は蒸れにくいメッシュ素材で、快適な背負い心地を実現しました。
特徴: 透明ドーム窓、付け替え可能なメッシュ窓
こんな人におすすめ: デザイン性を重視する人、愛猫と景色を楽しみたい人
〈リュック〉MANDARINE BROTHERS BRIXTON CARRY BACKPACK
都会的で洗練されたデザインが人気のペットグッズブランド「マンダリンブラザーズ」のリュックキャリーです。一見するとペット用とは思えないスタイリッシュな見た目で、どんなファッションにも自然に馴染みます。
底板は安定感があり、型崩れしにくいため猫も快適。上部と側面のメッシュ窓から、いつでも愛猫の様子を確認できます。機能性とデザイン性を高いレベルで両立させたい飼い主さんに支持されています。
特徴: スタイリッシュなデザイン、安定した底板
こんな人におすすめ: おしゃれなキャリーが欲しい人、普段使いしやすいリュックを探している人
〈ハード〉SAVIC アンデス トランスポートケージ
ベルギーのペット用品メーカーSAVIC社が手がける、プロ仕様のトランスポートケージです。非常に頑丈な作りと確実なロック機構で、力の強い猫やパニックになりやすい猫でも安心して運べます。
シンプルな構造は清掃性に優れ、衛生的に使い続けられるのも大きな利点。「布製キャリーを破られた」という失敗談を持つ飼い主さんからも、その安全性と耐久性は高く評価されています。
特徴: 高い耐久性、シンプルな構造による清掃性
こんな人におすすめ: 安全性を最優先したい人、力の強い猫や暴れる猫を飼っている人
〈ハード〉マルカン GONTA CLUB ハードキャリー
手頃な価格ながら、必要な機能をしっかり押さえたコストパフォーマンスに優れたハードキャリーです。軽くて持ち運びやすく、正面のドアは左右どちらからでも開閉できる便利な仕様になっています。
天面には小窓が付いており、移動中でも愛猫の様子を覗いたり、おやつをあげたりすることが可能。初めてハードキャリーを試す方や、セカンドキャリーとしてもおすすめです。
特徴: 高コストパフォーマンス、両開きドア、天面小窓
こんな人におすすめ: 手頃な価格のハードキャリーを探している人、軽さを重視する人
〈ソフト〉Sleepypod Atom
海外で「ペットのためのチャイルドシート」という概念を広めたSleepypod社の、コンパクトなショルダーキャリーです。その最大の特徴は、衝突試験をクリアした高い安全性。車移動の際には、シートベルトで座席にしっかりと固定できます。
デザイン性も非常に高く、旅行バッグのような洗練されたフォルムが魅力。愛猫との車でのお出かけを、より安全でスタイリッシュなものにしてくれます。
特徴: 衝突安全基準を考慮した設計、シートベルト固定機能
こんな人におすすめ: 車での移動が多い人、安全性とデザイン性を両立したい人
〈ソフト〉LIP1001 ふっくらキャリー
その名の通り、ふっくらとしたキルティング素材が愛猫を優しく包み込むソフトキャリーです。内側は肌触りの良いボア素材で、猫がリラックスしやすい空間を演出。上部はメッシュの巾着で閉じられるため、通気性を確保しつつ、猫の顔を見ながら移動できます。
軽量で持ち運びやすく、普段のお出かけに気軽に使えるデザインは、多くの飼い主さんから愛されています。
特徴: ふかふかのキルティング素材、軽量設計
こんな人におすすめ: 猫の快適性を重視する人、軽くておしゃれなキャリーを探している人
【目的・課題別】おすすめ猫用キャリー4選
「おしゃれなものがいい」「多頭飼いに対応できるものが欲しい」など、特定の目的や課題を持つ飼い主さんのために、個性豊かな4つのキャリーをピックアップしました。あなたの特別なニーズに応える一品が、きっとここにあります。
〈おしゃれ〉BARKER キャットキャリーバッグ
まるで高級ブランドのバッグのような、エレガントで上質なデザインが魅力のキャリーバッグです。細部にまでこだわった作りと美しいフォルムは、ペット用キャリーのイメージを覆します。
公共の場でも気兼ねなく持ち歩けるデザインは、電車やカフェなど、様々なシーンで活躍するでしょう。愛猫とのお出かけを、もっとおしゃれに楽しみたいと願う飼い主さんに最適です。
特徴: 上質でエレガントなデザイン
こんな人におすすめ: デザイン性を最優先する人、ファッションの一部として持ちたい人
〈軽量〉GPR 3wayペットキャリー
わずか850gという驚きの軽さを実現した、超軽量のペットキャリーです。手提げ、ショルダー、リュックの3WAYで使える多機能性も兼ね備えており、様々なシーンに対応します。
猫が成長するにつれてキャリーが重く感じてしまう、という飼い主の身体的負担を軽減。「とにかく軽いものが欲しい」という方に、まず試していただきたい製品です。
特徴: 850gの超軽量設計、3WAY仕様
こんな人におすすめ: 軽さを最も重視する人、体力に自信のない人
〈多頭飼い・大型猫〉ibiyaya 2階建てペット用多機能キャリー
2匹の猫を同時に、かつ安全に運ぶことができる画期的な2階建て構造のキャリーです。内部の仕切りを外せば、大型の猫ちゃんもゆったり過ごせる広い一室空間として使用可能。多頭飼いの通院や避難時に絶大な効果を発揮します。
キャスター付きで移動もスムーズ。ジッパーで上下に分離できるため、1匹ずつ運んだり、車の座席に固定したりと、状況に応じた使い分けができる点も高く評価されています。
特徴: 2階建て構造、分離・合体可能、キャスター付き
こんな人におすすめ: 多頭飼いの人、メインクーンなどの大型猫を飼っている人
〈災害時にも〉PETKIT 猫用スマートキャリーバッグ
防災意識の高まりから注目されている、多機能スマートキャリーです。最大の特徴は、内蔵されたファンがキャリー内部の空気を循環させ、常に快適な温度と湿度を保つこと。モバイルバッテリーで駆動するため、停電時や避難先でも使用できます。
夜間の移動に便利なLEDライトも搭載。災害時の避難生活では、猫が少しでも安心して過ごせるハウスとしての役割も果たします。もしもの時に愛猫を守るための、心強い備えとなるでしょう。
特徴: 空調ファン・LEDライト内蔵、モバイルバッテリー対応
こんな人におすすめ: 災害への備えを万全にしたい人、長距離移動が多い人
猫がキャリーを好きになる!ストレスを減らす科学的アプローチ
愛猫がキャリーを見ただけで逃げてしまうのは、飼い主にとって大きな悩みです。しかし、猫がキャリーを嫌うのは本能的な理由があるため仕方がありません。ここでは、猫の心理を科学的に理解し、世界基準の動物福祉の考え方を取り入れたトレーニングで、移動のストレスを大幅に減らす方法を解説します。
なぜ?猫がキャリーを嫌がる3つの本能的な理由
猫がキャリーを嫌がるのには、彼らの本能に根ざした明確な理由が存在します。これを理解することが、ストレス軽減への第一歩となります。
縄張りからの強制移動 猫は縄張り意識が非常に強い動物です。キャリーに入れられることは、自分の安全なテリトリーから無理やり引き離されることを意味し、強い不安や恐怖を感じさせます。
捕食者から身を守る本能 狭くて視界が遮られ、逃げ場のない空間は、猫にとって捕食者に狙われやすい危険な状況です。キャリーの中では、本能的な恐怖心が最大限に刺激されてしまいます。
嫌な経験との結びつき 多くの猫にとって、キャリーは「動物病院」や「知らない場所」といった、不快な出来事と強く結びついています。このネガティブな記憶が、キャリーを見ただけで警戒心を抱かせる原因になるのです。
世界基準の動物福祉「Fear Free(フィアフリー)」の考え方を移動に取り入れよう
近年、動物福祉の先進国を中心に「Fear Free(フィアフリー)」という考え方が獣医療の現場でスタンダードになりつつあります。これは、動物が感じる恐怖や不安、ストレスを可能な限り取り除き、心身の健康を守ることを目的としたアプローチです。
この考え方を家庭での移動にも取り入れることは、非常に重要です。キャリーを「罰や怖いことが起こる箱」ではなく、「安心できる自分だけの隠れ家」と猫に認識させることが、フィアフリーの第一歩といえるでしょう。
無理やり押し込むのではなく、猫が自らの意思で入るように促すトレーニングは、まさにこのフィアフリーの思想を体現したものです。移動時のストレスを最小限に抑えることは、愛猫の健康を守り、飼い主との信頼関係を深めることにも繋がります。
【実践】キャリーに慣れさせるための簡単な4ステップトレーニング
科学的な研究でも、事前にキャリーに慣れさせるトレーニング(順化)が、移動時のストレスホルモンの上昇を抑える効果があると証明されています。焦らず、猫のペースに合わせて以下のステップを実践してみましょう。
ステップ1:日常の風景にする まずはキャリーの扉を開けたまま、リビングなど猫が普段過ごす場所に置いておきます。特別なものではなく、家具の一部として存在に慣れてもらうことが目的です。
ステップ2:ポジティブな印象をつける 猫がキャリーに近づいたら、おやつをあげたり、中に美味しいごはんを入れたりしてみましょう。「この場所は良いことがある」と学習させ、キャリーへの警戒心を解いていきます。お気に入りの毛布などを入れて、快適な寝床として認識させるのも効果的です。
ステップ3:短い時間だけ扉を閉める 猫が自らキャリーの中に入ってリラックスするようになったら、ほんの数秒だけ扉を閉めてみます。すぐに開けて、たくさん褒めてご褒美をあげましょう。この時間を少しずつ伸ばしていくことで、閉鎖空間への抵抗を減らします。
ステップ4:短い距離を運んでみる 扉を閉めた状態で、キャリーをゆっくりと持ち上げて家の中を数歩だけ歩いてみます。終わったらすぐに扉を開け、特別なご褒美を与えてください。これを繰り返すことで、移動そのものへのネガティブな印象を上書きしていきます。
移動中のストレスが激減する裏ワザ|布での目隠しと揺らさない持ち方
トレーニングを積んでも、実際の移動は猫にとって大きなストレスがかかります。移動中には、科学的根拠のある2つの簡単な工夫で、猫の恐怖を和らげることができます。
一つ目は、キャリーを布で覆い「視覚的な刺激を遮断する」ことです。複数の研究で、外の景色や人影などが見えないようにするだけで、猫の心拍数が安定し、鳴き声などのストレス行動が著しく減少することが報告されています。通気性の良いブランケットやタオルで全体を覆い、静かで安心できる環境を作ってあげましょう。
二つ目は、「揺らさない持ち方」を徹底することです。不安定な揺れは猫の不安を増大させます。手提げタイプの場合は、取っ手を持つだけでなく、本体の底を腕で支え、体に密着させるようにして地面と平行に運ぶと揺れを最小限に抑えられます。この二つの配慮が、移動の質を大きく変えるのです。
本記事は情報提供を目的としており、専門家のアバイスに代わるものではありません。具体的な問題については、資格を持つ専門家にご相談ください。
購入後も安心!猫用キャリーの正しい手入れ・保管・処分方法
愛猫との暮らしに欠かせないキャリーは、一度購入したら終わりではありません。いざという時に安全かつ快適に使えるよう、日頃の手入れや正しい保管が不可欠です。ここでは、キャリーを清潔に長持ちさせるための清掃方法から、劣化を防ぐ保管のコツ、そして寿命が来た際の処分方法までを解説します。
素材別の正しい清掃方法|丸洗いや消臭のコツ
猫がキャリー内で粗相をしてしまうことは珍しくありません。衛生的に使い続けるためにも、素材に合った正しい清掃方法を知っておきましょう。
ハードタイプ(プラスチック製) 頑丈で汚れが染み込みにくいのがハードタイプの利点です。多くはパーツごとに分解できるため、浴室などで丸洗いが可能です。ペット用の安全な洗剤を使い、スポンジで隅々まで洗いましょう。特にロック部分や溝は汚れが溜まりやすいので念入りに清掃してください。洗浄後は、カビや錆を防ぐために、タオルで水気をしっかり拭き取り、風通しの良い場所で完全に乾燥させることが重要です。
ソフトタイプ(布・メッシュ製) 軽量なソフトタイプは、臭いや汚れが染みつきやすい点に注意が必要です。まずは製品についている洗濯表示を確認しましょう。「丸洗い可」の表示があれば、それに従って洗浄します。丸洗いができない場合は、固く絞った濡れタオルで汚れを拭き取り、ペット用の消臭除菌スプレーを活用すると効果的です。日頃からペットシートを敷いておくと、万が一の粗相でも掃除の手間を大幅に減らせます。
使わない時の保管方法|カビや型崩れを防いで長持ちさせるには?
キャリーを使わない期間の保管方法が、製品の寿命を大きく左右します。正しい方法で保管し、劣化を防ぎましょう。
まず、保管前には必ず上記の清掃方法で汚れを落とし、完全に乾燥させてください。湿気が残っていると、カビや悪臭の原因となってしまいます。 保管場所は、直射日光が当たらない、湿気の少ない場所が最適です。紫外線はプラスチックの劣化や布の色褪せを引き起こすため、クローゼットや押し入れの中などが良いでしょう。
ソフトタイプの場合は、中にタオルやクッション材を詰めておくと型崩れを防げます。折りたたみ可能なタイプは、購入時の箱や専用の袋に入れて保管すると、ホコリからも守れてコンパクトに収納できます。
いつかは訪れる…古くなった猫用キャリーの処分方法
大切に使っていても、猫用キャリーには寿命があります。プラスチック部分のひび割れ、ロック部分の緩み、布やメッシュの破れなど、安全性が損なわれるような劣化が見られたら、それは買い替えのサインです。万が一の脱走事故を防ぐためにも、壊れたキャリーを使い続けるのは絶対にやめましょう。
古くなったキャリーを処分する際は、お住まいの自治体が定めるルールに従う必要があります。一般的に、ハードタイプの多くは「粗大ゴミ」や「不燃ゴミ」、ソフトタイプは「可燃ゴミ」に分類されることが多いですが、自治体によって分別方法が異なります。
処分する前には、必ず自治体のホームページやごみ収集の案内を確認し、正しい方法で廃棄してください。
Q. 怖がりな猫や暴れる猫にはどんなキャリーがいいですか?
A. 安全性を最優先し、頑丈なハードタイプのキャリーをおすすめします。
怖がりな猫やパニックになりやすい猫の場合、布やメッシュ製のソフトキャリーだと爪や歯で破って脱走してしまう危険性があります。実際に「ロックを内側から開けられてしまった」という失敗談もあるため、簡単には壊れない強度と、しっかり施錠できる金属製の扉や頑丈なロック機構を備えた製品を選ぶことが重要です。
また、研究によると、頑丈なハードタイプの方が猫が安心感を覚えやすい傾向にあると指摘されています。移動時にはキャリーをブランケットなどで覆い、外からの視覚的な刺激を遮断してあげると、猫のストレスをさらに和らげることができるでしょう。
Q. 多頭飼いの場合、キャリーはどのように選べばいいですか?
A. 原則として「1匹につき1つのキャリー」を用意するのが最も安全で理想的です。
猫は縄張り意識が強い動物なので、狭い空間に複数の猫を一緒に入れると、大きなストレスや喧嘩の原因になりかねません。また、動物病院での診察時や、災害時の避難といった緊急時には、1匹ずつ個別に管理する必要があります。
どうしても移動の負担を減らしたい場合は、内部に仕切りがある多頭飼い専用の製品や、重さに対応できるキャスター付きのタイプも選択肢になります。ただし、その場合でもそれぞれの猫が中で向きを変えられる程度の十分なスペースを確保できるか、必ず確認してください。愛猫たちの安全と快適性を第一に考え、基本的には個別のキャリーを用意しましょう。
Q. キャリーのレンタルや中古品購入のメリット・デメリットは?
A. コストを抑えられるメリットはありますが、衛生面と安全面でのデメリットに十分な注意が必要です。
使用頻度が低い場合に初期費用や保管場所を気にせず使えるのがレンタルの利点です。また、中古品は低価格で購入できる点が魅力でしょう。
しかし、どちらの場合も最大の懸念点は衛生面です。前に使用した猫の匂いが残っていると愛猫のストレスになりますし、病気の感染リスクもゼロではありません。中古品の場合は、目に見えない部分の劣化や破損が原因で、移動中に壊れて脱走事故につながる危険性も考えられます。愛猫の安全と健康を最優先するなら、基本的には新品の購入をおすすめします。
Q. 猫が舐めても安全な素材とは?無毒性・サステナブル素材について
A. メーカーが「無毒性」を明記している素材や、シンプルな構造のプラスチック製キャリーを選ぶのが基本です。
猫はキャリーの中で不安から内部を舐めたり噛んだりすることがあります。そのため、塗料や接着剤、素材そのものに有害な化学物質が含まれていないかを確認することが大切です。製品を選ぶ際には、商品説明に「ペットセーフ素材」「無毒性プラスチック使用」といった表記があるかを確認すると良いでしょう。
また、近年では環境に配慮したリサイクル素材から作られた、サステナブルなキャリーも登場しています。安全性やSDGsに関心のある飼い主さんは、こうした製品の素材表示にも注目して選んでみてはいかがでしょうか。
まとめ|あなたと愛猫に最適なキャリーで移動の不安を安心に変えよう
愛猫との移動に最適なキャリーを選ぶことは、通院や災害時への不安を、確かな安心感に変えるための最も重要なステップです。この記事で解説したポイントを押さえれば、あなたと愛猫にとって最高のパートナーとなる一台が必ず見つかります。
猫用キャリーは単なる移動用の箱ではなく、愛猫の命を守り、ストレスを和らげる「安全なシェルター」としての役割を担っています。だからこそ、形状やデザインだけでなく、猫の視点に立った「安全性」や「快適性」、そして飼い主の「持ち運びやすさ」や「手入れのしやすさ」まで、総合的に検討することが大切です。
本記事では、基本的な選び方の基準から、通院や災害といったシーン別の最適な選択、さらには先輩飼い主のリアルな失敗談から学ぶ注意点まで、あらゆる角度から詳しく解説しました。購入後に後悔しないためにも、もう一度チェックポイントやランキングを見返してみてください。
あなたにとって最高のキャリーが見つかれば、動物病院への道のりも、万が一の避難時も、きっと心強いものになるでしょう。この記事が、あなたと愛猫の安全で快適な移動の助けとなることを心から願っています。